『男たちの大和』その二

映画『男たちの大和』の感想の続きです。
一つ前のエントリーはここです。

戦艦にとって、対空戦闘とは自衛戦闘にほかなりません。
『大和』の任務は、あくまでもその主砲を使った艦砲射撃で、米軍上陸部隊を殲滅することでした。
しかし空母を失い、地上配備の航空機も不足する帝国海軍は、水上特攻部隊に艦隊防空能力を付けてやることができません。
水上特攻部隊は、制空権を完全に米軍に握られた海に漕ぎ出していくことになります。

そして繰り広げられる、有賀艦長自らが指揮を執る対空戦闘。
正に、圧倒的な空軍力による、船のなぶり殺しです。
敵機の雷撃、銃爆撃が容赦なく『大和』乗員を襲います。
機銃掃射で全滅する機銃座。爆弾の直撃で血まみれになる砲塔内部。弾薬の暴発。吹っ飛ぶ足。
その中で懸命に戦い続ける兵たち。
観ていて辛くなる程です。
女房殿は後で「観ていられなかった」と言っていました。

そして、総員退艦の命令が下ります。
もはや水平を保てなくなった『大和』の甲板から、将兵が海に落ちていきます。
神尾も落とされ、海に浮かぶことになります。
渡哲也さん演じる、第二艦隊司令長官伊藤整一中将は長官室で自らのからだをロープで縛りつけ、艦と運命を共にします。
映画では、そこまでの描写はありませんでしたが。

生還したものの、多くの戦友と母を既に失い、今また原爆で恋人を失う神尾。
寺島しのぶさん演じる内田二兵曹の恋人と共に、広島の原爆が語られます。
そして現代。
『大和』沈没地点に到達し、遺骨を海に散らして「内田守、只今帰りました」と敬礼する娘さん。
そして神尾船長と15歳、特年兵と同じ年頃の少年も、敬礼。
さすがに『戦国自衛隊1549』にも出演していた鈴木京香さんだけあって、格好いい敬礼です。
残念ながら脇を締める海軍式ではなく、陸軍式の敬礼ですが。

この映画に『朝日新聞社』が噛んでいると知った時は「意外」と感じましたが、観てみると「なるほどなぁ」と感じられます。
そして敬礼以外でも、結構突っ込み所があるのが少々残念です。
下手に知識を持っていると、こういうところが素直に楽しめなくて困ります(苦笑)

私が良く読む『★前田有一の超映画批評★』でも指摘されていましたが、『大和』が沖縄に出撃する理由が省略され過ぎ。
昭和天皇のお言葉だけをクローズアップされると、知らない人は誤解するかも。
それと艦隊を組んでいるのに、対空戦闘中の“艦隊”がいません。
最後の方に、救助に来る駆逐艦が姿を見せる程度。
『大和』一艦での特攻ではないんですから。
あと、この時代なら必ず出てくる言葉「靖國神社」が一言も出てきませんね。
これも『朝日新聞社』が噛んでいるからでしょうか?

まだ続きます。

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